12歳から19歳までの新型コロナワクチン接種について

12歳から19歳までの新型コロナワクチン接種について

こんにちは、くれはキッズクリニックの草開です。富山市の12歳から19歳までの新型コロナワクチン接種券が、9月7日から配布されることが決まりました。

ただ、こどもはコロナに感染しても軽症なので、ワクチンを打つ必要はないのではないか。副反応が出ると心配なので、ワクチンを打ちたくない、打たせたくないという保護者の方もおられるかと思います。

お気持ちはよく分かります。大切なお子さんのことなので、より慎重になりますよね。

現時点では、日本小児科学会はコロナワクチン接種の意義はあるという発表をしています(http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=379)。

この根拠となっている論文は、今年の7月に発表されたものですhttps://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2107456)。

要点は、

2回ワクチンを接種し7日間以上経過した12歳から15歳、1119人のうち、新型コロナウイルスに感染した人は0人でしたが、
ワクチンを接種しなかった(プラセボ)の12歳から15歳、1110人のうち、新型コロナウイルスに感染した人は18人おられた。

というものです。
ワクチンの効果にも驚きますが、ウイルスの感染力の高さも強く感じられますね。

主な副反応は、接種部位の痛みが約8割、倦怠感・頭痛が約6割、悪寒が3-4割、熱が初回は1割、2回目は2割で出現しています。

何もしなければ痛みや倦怠感はないのに、わざわざ高い割合で副反応が出現するワクチンを打つ必要は本当にあるのかと考える気持ちがあるのも無理はないと思います。
この気持ちについても心理学的に研究されており、現状維持バイアスという気持ちが人間誰しも働きます。

ワクチンを打ちたくない気持ちは、参照点という、自分の立ち位置を考えることでもう少し冷静に対応できるかもしれません。
今現在健康なお子さんに、副反応のリスクのあるワクチンは打ちたくないでしょう。
しかし、この急拡大する新型コロナウイルスに、もしかかってしまったことを考えるとどうでしょうか。

2021年8月18日時点では、日本国内で5人のお子さんがICUに入り治療を受けています(https://www.coreregistry.jp/CoreRegistry_COVID19_CRF_Dashboard/Home/DashBoardviewer)。
小児の重症は稀とは言われますが、新型コロナは数の病気です。感染した方の数が増えるにしたがって、一定の割合で重症化する方はおられるのです。

参照するポイントを少し考えてみることで、ものごとのとらえ方は変わってきます。

こどものワクチン接種には、感染を抑えるだけでなく、休校で学習の機会が奪われないようにすることや、家にとじこもることで心の健康が損なわれないようにすることも期待されています(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)01453-7/fulltext

自分や家族、友だちなど関わりのある人を守り、もとの社会を取り戻すためにも、ワクチン接種をご検討いただけますと幸いです。

 

当院では、未成年の方への新型コロナワクチン接種も行います。ファイザー社製のワクチンです。
接種希望の方は、富山市予約サイト(https://city.toyama-vaccination.jp/reserve/)からご予約をよろしくお願いいたします。