オンラインセミナー:with コロナ時代にフィットする、補助金に頼らない病児保育経営 感想

オンラインセミナー:with コロナ時代にフィットする、補助金に頼らない病児保育経営 感想

こんばんは。呉羽に建設中の小児科医院、くれはキッズクリニックの草開です。

CI-inc主催の、オンラインセミナーを聴講しました。

講師は、つむぎこどもクリニック(仮)の吉岡先生です。クリニックでのご勤務経験が豊富で、来年4月に埼玉県越谷市での開業に向けて精力的にがんばっておられました。

内容は、
1. なぜ病児保育を始めようと思われたのか
2. サステナブルな経営にはどうすれば良いか
についてでした。

  1. 吉岡先生が病児保育に興味を持たれたきっかけですが、先生が保護者向けの講座を担当されている頃から病気をみるだけではなく家庭支援の重要性を感じておられ、その後お勤めになった小児科クリニックに病児保育室が併設されていたそうです。その利用状況を見る中で、世の中にもっと病児保育施設を普及すべきとの思いから、ご自身での病児保育施設立ち上げを計画されるようになりました。また、日本では産後のお母さんに精神的なストレスがかかることが多く、産前から産後にかけて関わっていく中で、その負担を和らげる病児保育の重要性を語っておられました。
  2. サステナブル(持続可能)な経営については、吉岡先生の施設では市町村からの病児保育事業委託を受けておられず、補助金が得られないようです。病児保育事業自体は一般的には補助金があっても赤字で、2000万円ほどの負担をクリニックの経営と合わせながらなんとかやっていく福祉事業だとおっしゃっておられました。利用するご家族の負担をなるべく少なくするために、企業の協賛を得たり、クラウドファンディングで資金を集めたりすることを検討しておられました。協賛企業には優先的に保育室の利用をしてもらったりと、企業にとってもメリットのある方法のようです。他にも、保育園で発熱した場合には直接連れてきてもらう送迎事業も検討しておられました。

当院にも病児保育室を併設予定であり、富山市に支援を申請しているところです。人件費を考えると赤字になる可能性も十分あるのですが、仕事と家庭の両立を支えることこそ病児保育が社会に果たすべき役割であると考え、地域が少しでも豊かになるためにうまく運営できればと思います。なお、送迎事業も富山市の制度として行われているので、積極的に取り入れ利便性の高い施設として皆様にご利用いただければ何よりです。入念に準備をして参りますので、2021年4月開業までもうしばらくお待ちいただけますと幸いです。