富山大学病院で赤ちゃんの頭のかたち外来開始。

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富山大学病院で赤ちゃんの頭のかたち外来開始。

朗報です。富山大学病院で、7月5日から『赤ちゃんの頭のかたち外来』が始まります!

赤ちゃんに向き癖があったりすると、いわゆる絶壁ができてしまうことはしばしばあります。

1か月健診や、3-4か月健診で相談しても、「反対向きにして寝かせれば良いですよ」と言われ、言われたとおりに向きを直そうとしても、泣いてしまってうまくいかず・・・。

できる限り対応するけど、やっぱり頭のかたちが気になることってありますよね。

当院では予防接種の際や、6-7か月健診のときに頭のかたちが気になるお子さんについては、向きを変えてみてもらうことの他に、ヘルメット療法ができる医療機関へ紹介させていただくこともありました。

ただ、東京や大阪、京都など遠いところまでいかなくてはならないため、積極的に治療される方はあまり多くはありませんでした。これからは地元でヘルメット療法ができるとなると、非常に便利ですよね!

そもそも、向き癖による頭の変形(医学的には、頭位性斜頭と言います)は、約300人に1人に起きるくらいのものでした(1)。
しかし、1992年にアメリカ小児科学会が乳幼児突然死症候群を防ぐために、仰向けで寝かせるよう推奨したこと(2)により、頭の変形が増えてしまいました。
近年では、1歳未満の乳児の16~48%に頭の変形があるとされています(3)。
ちなみに、乳幼児の突然死は1992年には100人中1.2人だったものが、2001年には1000人中0.56人と激減(4,5)しており、このキャンペーンは効果があったものと言えます。

頭位性斜頭は、粗大運動の遅れに関係しているという報告は一部ありますが(6)、一般的には成長発達の遅れや機能の障害の原因にはならないと考えられています(7)。

では、富山大学で頭のかたちをみてほしいときにはどうすれば良いでしょうか。大学病院の受診には、原則として紹介状が必要です。

まずは、1か月健診でお生まれになった施設の産科や小児科の先生に紹介状を書いてもらうことができるかと思います。

それ以降ですと、小児科を受診したり、予防接種のときに聞いてみるのもひとつかと思います。
診る先生によっては、頭のかたちの治療に積極的ではない方もおられますので、ご家族が迷われるようであれば当院へご相談いただけますと幸いです。
しっかり診せていただき、適切に大学病院と連携いたします。

富山大学病院の、頭のかたち外来は、隔週の火曜日午後です。仮に1日に15人みられるとすると、年間390人の予約枠が見込まれます。
富山県の出生数が6000人で、頭位性斜頭の割合が低く見積もって16%であれば、年間960人の受診が予想されます。
準備されている予約の枠より、受診希望の方が多くなる可能性があるので、気になる方は早めに予約を取られた方が良いかもしれません。

頭のかたちの治療は早めの方が効果があり、6か月までに始めることが勧められていますので、紹介希望の方はいつでもご相談ください。

 

参考資料
1. Hutchison BL, Hutchison LA, Thompson JM, et al: Plagiocephaly and brachycephaly in the first two years of life: a prospective cohort study. Pediatrics 114:970-980, 2004

2. AAP Task Force on Infant Positioning and SIDS: Positioning and SIDS. Pediatrics 89:1120-1126, 1992

3. Xia JJ, Kennedy KA, Teichgraeber JF, et al: Nonsurgical treatment of deformatienal plagiocephaly: a systematic review. Arch Pediatr Adolesc Med 162:719-727, 2008

4. AAP Task Force on Infant Sleep Position and Sudden Infant Death Syndrome: Changing concepts of sudden infant death syndrome: implications for infant sleeping environment and sleep position. Pediatrics 105:650-656, 2000

5. AAP Task Force on Sudden Infant Death Syndrome: The changing concept of sudden infant death syndrome: diagnostic coding shifts, controversies regarding the sleeping environment, and new variables to consider in reducing risk. Pediatrics 116:1245-1255, 2005

6. Speltz ML, Collett BR, Stott-Miller M, et al: Case control study of neurodevelopment in deformational plagiocephaly. Pediatrics 125: e537-542, 2010

7. Feijen M, Franssen B, Vincken N, et al: Prevalence and consequences of positional plagiocephaly and brachycephaly. J Craniofac Surg 26: e770-773, 2015